インプラントの費用相場

インプラント治療の相場は、検査料や手術代、上部構造、検診代などを総額して、全国平均として1本あたり300,000～500,000円、首都圏や都市部ではそれよりも高く、350,000～550,000円といわれています。ただし、インプラントは保険が適用されない自由診療のため、クリニックによって差があります。

参照元：インプラントネット（https://www.implant.ac/cost/）

インプラント本体以外で発生する費用

• 術前検査、診断料：15,000～50,000円
• 麻酔代：笑気ガス鎮静法（30分）3,000～5,000円、静脈内鎮静法（1時間）8,000～30,000円
• 術後の消毒・検診代：1,500～10,000円

費用で比較する際に気を付けること

内訳を確認する

価格の内訳が示されておらず、「インプラント○円」となっている場合、インプラント体のみの価格になっていることがあります。他院と比べて一見、安く感じられますが、ここに上部構造の費用や検査費用が別途かかると、トータルで高くなってしまうことも。内訳を確認して、トータルの金額で比べるようにしましょう。

治療に使われる被せ物の材料

インプラントでは、審美性を重視し、オールセラミッククラウンやジルコニアセラミッククラウンが使われることが多いようです。しかしどちらも高額で、治療費の負担が大きいというデメリットも。インプラントの費用を抑えたい場合、上顎の奥など、見えづらい部分であればパラジウムクラウン（保険診療で使用する銀歯と同じ材料）にするという選択肢もあります。

麻酔代など、別途かかる費用の有無

インプラントの治療では痛みを軽減するための局所麻酔を使用しますが、振動が伝わってきたり、意識がはっきりしているため、手術への不安や恐怖心を感じることも。その場合、点滴による「静脈内鎮静法」や、鼻から麻酔吸入する「笑気ガス鎮静法」などで、不安や恐怖心を和らげることもできます。これらの麻酔を希望する場合、手術代に含まれているか、別途費用がかかるのかを事前に確認しておきましょう。

格安インプラントのリスク

材料や素材に問題がある

インプラントでは、体に害がない、アレルギーを引き起こしにくい、骨との結合性がいいということから、チタンやジルコニアなどの素材が使われています。これ以外の素材のインプラント体を使用すると、金属アレルギーを引き起こしたり、インプラント体と骨がうまく結合できなかったりする可能性もあるので注意しましょう。

適切な治療法を省いてしまう

インプラントを安全に埋入するために必要な治療プロセスを省くことで、費用を安く抑えているという場合もあります。インプラント治療には1回法と2回法があります。適応ケースであれば1回法でも問題はないのですが、適応ではないのに無理やり1回法にしてしまうと、骨と結合できないということもあります。

設備が整っていない

安全で高精度のインプラント治療のためには、きちんとした設備が整っていなければなりません。しかし、歯科用CT、シミュレーションソフト、インプラント専用のオペ室などの設備はコストがかかります。こうした設備を省いて費用を安く抑えているのであれば、安全性や精度に不安が残ります。

価格だけで選ばずに技術や治療方針を見極める

インプラント治療の費用は、決して安いものではありません。できることなら安い料金で治療を受けたいと思う気持ちもわかりますが、価格の安いインプラント治療には、審美的・機能的に問題があったり、安全性に不安がある場合も。長く快適に使用するためにも、価格だけで選ばずに、歯科医師の技術や歯科医院の治療方針をしっかりと見極めて選ぶようにしましょう。